プランジャとは

プランジャとは

プランジャとは

プランジャとは、機械装置やワークの位置決め・固定・割り出しを行うための機械要素製品です。
スライド機構や回転機構の位置決め、金型の位置決めやジグの仮固定など、幅広く使用されます。

本記事では、機械設計者・生産技術者の方向けに、

  • プランジャの仕組み
  • プランジャの種類と特長
  • 選定ポイント
  • 設計する上での注意点


を解説しています。

プランジャの仕組み

プランジャとは、内部のスプリングによって先端のピンやボールが押し出される構造を持つ部品です。
この構造により、相手部品の穴や溝にピンやボールが入り込み、簡単かつ素早い位置決めを実現します。

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基本構成

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使用例

スライドユニットの仮位置決めに

プランジャの種類と特長

ボールプランジャ

ボールプランジャは、スプリングで先端のボールを押し出し、くぼみや溝に押し当てることで位置決めを行う機構です。
水平(横)方向の荷重が加わると、先端のボールが転がり内部へ押し戻される構造のため、スライド機構の位置決めに適しています。


使用例

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ノブの長さ調整として

ピンのV溝にボールで位置決めし、「フリー/位置決め」の状態をノブの前後挿入で切り替えが可能。
位置をスプリングで保持しているため、脱落や紛失防止にも役立ちます。

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リミットスイッチとして

ボールのスプリングによる往復機構により、スイッチのON/OFFを切り替えが可能。
複雑な機構や回路設計の手間を削減できます。


ナベヤのボールプランジャ

ピンプランジャ

ピンプランジャは、スプリングの力で先端のピンを押し出し、相手部品の穴や溝に挿入することで位置決めを行う機構です。
水平方向にスライドするボールプランジャとは異なり、ストロークが大きく、相手部品の穴や溝にピンが確実に入り込む構造。
そのため、位置決め後の位置を保持する機構に多く用いられます。
また、荷重やストロークが大きいことから、ワークの仮押さえや基準面への押し当て用途としてもご使用いただけます。



使用例

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金型ジグの交換

ピンプランジャでピン穴同士の中心を素早く位置合わせが可能。
ロケート(ストレート)ピンを挿入し、高精度な位置決めが可能。

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ワークの位置決め部への押し当てとして

スプリングの力で基準にワークを密着するため、確実な位置決めが可能。
垂直面でワークを固定する作業時にも仮押さえとして使用でき、落下防止にも役立ちます。


ナベヤのピンプランジャ

インデックスプランジャ

インデックスプランジャは、ノブの押し引き操作により、スプリングで押し出される先端のピンを穴や溝に挿入して位置決めを行う機構です。
ボールプランジャと異なりストロークが大きく、相手部品の穴や溝にピンが確実に入り込む構造のため、位置決め後に保持する機構に多く用いられます。
操作性を高めるため、ノブが取り付けられているものが一般的で、ピンを引き込んだ状態(アンロック)で保持できるホールド機構を備えたタイプもあります。
そのため、複数の穴位置に合わせて位置を決める用途(ポジショニング)に最適です。

使用例

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回転機構の位置決めとして

ノブでピンを引き込ませ穴位置を合わせた後、ピンを挿入して位置決めが可能。
ダイヤルなどに多く使用されます。

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シャフトの位置決めとして

ピンを引き込んだ(アンロック)状態にして溝位置を合わせた後、ピンを挿入して位置決め。 両手で位置合わせが必要な長尺のシャフトなどの位置決めに多く使用されます。


ナベヤのインデックスプランジャ

選定ポイント

ナベヤでは、サイズだけでなく バネ荷重N(クランプ力)・形状・材質・取付方法など、用途に合わせたラインナップを取り揃えています。

バネ荷重N(クランプ力)

用途に応じて必要なクランプ力のものを選定してください。

製品形状

ボールプランジャ :スライドする機構の位置決めに最適
ピンプランジャ :位置決め後の位置を保持する機構に最適
インデックスプランジャ :位置決め後の位置を保持・ノブ操作でピンの出し入れ・アンロック状態で位置合わせが必要な機構に最適

材質

焼入 :耐摩耗性
SUS :耐食性
樹脂 :通電防止

取付方法

ねじ込みタイプ :タップ穴に挿入。突き出しの量で位置を調整できます。
圧入タイプ :加工穴に挿入。飛び出しを抑え平面に取り付けできます。
フランジタイプ :フランジでそのまま固定が可能。プランジャを取り付けるアングルなどの製作が不要です。


  • ねじ込みタイプ

  • 圧入タイプ

  • フランジタイプ

設計する上での注意点

ワークの位置決め・仮固定のための「ジグ」としても、装置内の位置決めやスイッチ機構のための「機械要素製品」としても幅広く使用できます。
そのため、プランジャを活用した設計を行う際は、特に下記ポイントにご注意ください。

バネ荷重N(クランプ力)が不足していないか?

プランジャのクランプ力が不十分だと、位置決めが機能しません。
そのため対象となるワークの荷重をご確認の上、必要なクランプ力のものを選定してください。

取り付け位置や取り付け穴サイズは問題ないか?

特に装置の内部機構として使用する場合、取り付け位置が少しでもずれてしまうと動作不良が発生する可能性があります。
ねじ込みタイプの場合、ねじ込み量の調整も発生するため、設計段階から注意が必要です。

位置決め方法に準じた種類を選定しているか?

段取りや作業方法に適したプランジャをしていない場合、作業時間の長期化やバラつきが発生する可能性があります。
作業手順や位置決め対象物の位置決め方法から最適なプランジャを選定、設計いただく必要があります。

お気軽にお問い合わせください

ナベヤのプランジャの選定・ご購入を検討される際は、お気軽にお問い合わせください。