周波数・振動の大きさを特定する振動測定・解析~測定・解析機器と手法~
振動対策には、障害原因となる周波数と振動の大きさ(加速度、速度、変位)を特定・数値化する必要があります。
これらは測定器を用いて測定し、測定データを解析することで数値化することができます。
ここでは、測定解析に必要な測定機器、測定方法、解析要領の一例の紹介と手順の解説をしています。
振動測定・解析がなぜ必要なのか
振動対策には、周波数(Hz)、振動の大きさ(加速度、速度、変位)数値化しなければなりません。
体感的なあやふやな状態ではなく、障害振動の周波数、振動の大きさ、対策製品の減衰効果や対策完了の達成度合いを数値で明確にするためです。
この周波数や振動の大きさは、振動測定・解析によって数値化することができます。
それでは、どのような測定・解析機器でどのような方法で数値化できるか解説していきます。
測定/解析に必要な機器
振動測定・解析は、測定目的や環境によって変わりますが、主に以下の測定機器が必要となります。
それぞれの機器類を解析用PCと接続し測定環境をつくります。
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解析用PC・データーレコーダー
測定データの表示・記録
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加速度センサ(サーボ型/圧電式)
加速度の測定
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アンプ
加速度センサから入力した信号の変換
測定/解析の要領
測定環境を整えたのち、以下の手順で測定・解析を行うことで、周波数・振動の大きさ(加速度、速度、変位)を明確にすることができます。
※測定・解析手順は一例を表したものです。測定の対象となる振動の大きさや測定機器によって使用方法や解析手法が異なります。
詳細は各測定機器メーカー様にお問合せください。
測定手順
・振動を測定したい場所に加速度センサーを設置します。
・測定機を起動し、加速度センサーから時間毎の加速度を取り込みます。
・時間毎に取り込んだ加速度データ(時間軸データ)を解析用PCに取り込みます。
解析手順
・解析用PCでFFT(Fast Fourier Transform)解析(※1)し、パワースペクトルグラフ(※2)に変換します。
・解析結果をtxtデータファイル、csvデータファイルとして保存します。
・表計算ソフトなどを用いて解析結果をグラフ(※3)に表示します。
※1FFT(Fast Fourier Transform)解析
時間軸波形を高速フーリエ変換すると、パワースペクトル(周波数と大きさ)に変換できます。
※2パワースペクトルグラフ
周波数と振幅(大きさ)を表すグラフで、対策対象とする周波数を特定できます。
※3トリパタイトグラフ
周波数、加速度、速度、変位を一つのグラフに表記され、すべての項目を把握することができます。
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