「除振」「防振」の違いとは?
はじめに
振動対策を行う上で必ず目にする「除振」と「防振」。
同じ振動対策を意味する言葉ですが、対策方法が異なります。
ここでは、この2つの違い・基礎をわかりやすく解説しています。
除振と防振の違いは?
除振とは

外部から伝わる振動を取り除き、機器への影響を少なくすることを
「除振」といいます。
たとえば、振動を嫌う精密測定機器(半導体・液晶製造検査装置や顕微鏡など)は、人体に感じられないほどの僅かな振動も検査結果に大きく影響してしまうため、「除振台」と呼ばれる防振マウントを組み込んだ台に載せて、床から伝わる振動を取り除く必要があります。
防振とは

振動を発生させる機器(送風機やポンプ、工作機械など)から外部に
振動が伝わらないように防ぐことを「防振」といいます。
ポイント
除振、防振は何れも有害な振動を小さくすることです。
ほとんどの除振・防振製品は「除振」「防振」の両方に使用できます。
振動の基礎知識
振動周波数

例えば、1秒間に3回揺れた場合は3Hzとなります。
900rpmポンプの振動の場合、900rpm÷60秒で15Hzとなります。

固有振動・固有振動数
ある物体に振動を与え、放置しておくとその物体固有の繰り返しで振動(自由振動)します。
この振動を固有振動といい、その周波数が固有振動数です。
共振・共振周波数
ある物体が固有振動数と同じ周波数で繰り返す力を受けると物体が大きく振動する共振という状態になります。
この共振の発生する周波数が共振周波数です。
固有周波数=共振周波数
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ギターの弦は固有周波で揺れ、誰が弾いても同じ音(周波数)です。 共振を利用してチューニングする場合もあります。 |
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ポイント
物体が共振すると大きく振動します。したがって床や機械構成部品の共振が、振動問題の原因になることがあります。