パッシブ除振とアクティブ除振の違い

パッシブ除振とアクティブ除振の違い

はじめに

加工精度や検査精度の向上・設備停止リスク対策のために、振動対策を踏まえた設計を行うことは重要です。


半導体製造などに代表される精密な加工や検査・分析などの工程では、人が感じない僅かな振動でさえもその結果に大きく影響します。
そのため、半導体製造に使用される装置の多くには設置する床の振動許容基準が設けられており、基準を超える場合は、振動対策が必要です。
従来はコイルばねや空気ばねを用いた「パッシブ除振製品」で振動対策が一般的でした。
しかし、昨今の加工・検査・分析対象の高精度化、微細化に伴い、 半導体製造装置にはより高度な振動基準が設けられるようになりました。
そのため、「アクティブ除振製品」による振動対策が求められるようになってきました。
一方で、全ての製品・装置に「アクティブ除振製品」による振動対策をすればよいというわけではありません。
ここでは、パッシブ除振とアクティブ除振の違いについて解説しています。

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パッシブ除振製品例

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アクティブ除振製品例

パッシブ除振とアクティブ除振

パッシブ除振とは

コイルばねや空気ばねによる荷重支持機構とダンパ材を組み合わせることで、装置を支持しつつ振動を効果的に低減する構造で、優れた除振性能を持った除振方法です。
ただしパッシブ型除振には必ず「共振域」が存在します。
この共振域では、振動が床の振動より大きくなり、除振効果が得られません。

アクティブ除振とは

電気制御により入ってきた振動と逆向きの力を加えることで振動を打ち消す除振方法です。
速度センサーや加速度センサーを設置し、センサの情報に基づいてアクチュエータ(加振機)を動作させて振動を小さくさせるため、パッシブ型除振で生じていた共振現象がなくなります。
このように、振動に対して受け身(パッシブ)ではなく、能動的に打ち消す動作を行う構造のため「アクティブ除振」と呼ばれています。

パッシブ除振とアクティブ除振の対比表
パッシブ除振 アクティブ除振
振動への対応 ゴム・ばね・空気などの弾性体で振動を極力伝えない センサで振動を検知し、アクチュエータで打ち消す
周波数帯 10Hz以上に有用なものが多い 1〜10Hzに非常に有用
共振現象の有無 固有振動数に伴い共振が発生する 発生しない
精度 設置条件によって変動 極めて高い(nm〜μmレベルで安定)
設置難度 低い(事前に設計したポイントに配置・取付するだけでOK) 高い(調整・設定のための専門スキルが必要)
コスト 中〜低 高め(据付まで対応を行うため)
採用イメージ

・半導体製造装置(例:前加工装置)

・測定機器(例:画像測定機、三次元測定機)

・生産設備、装置(例:食品加工機)

・製品の内部機構(例:コンプレッサー)

・搬送ライン、AGV

など

・半導体製造装置(例:露光装置)

・精密測定機器(例:電子顕微鏡、AFM)

など



一言でいうならば…
パッシブ除振製品 =「振動を極力伝えないようにする機械要素製品・装置」
アクティブ除振製品=「振動を制御する装置」

ナベヤ製品のラインナップ

ナベヤではパッシブ除振型の製品だけでなく、アクティブ除振型の製品もラインナップしています。
振動課題や用途に合わせて、適切な製品のご提案が可能です。

パッシブ除振製品

アクティブ除振製品

  • 半導体製造装置や試験装置の振動対策でご使用いただける
    「アクティブ除振システム」

パッシブ除振製品の選定・導入方法

「除振・防振製品選定プログラム」による自動製品選定

振動対策の目標(対策周波数、振動許容基準など)がお決まりの場合、
ナベヤWEBサイト上の「除振・防振製品選定プログラム」をご活用ください。
対象振動周波数・取付形状・支持荷重から、最適な除振・防振製品を絞り込んで自動選定をすることができます。

「制振ソリューション」による一貫サポート

効果のある振動対策を行うには、事前のご確認・ご検討事項が複数あります。

  • 初めてで対策の方向性や方法などが分からない
  • 対策周波数が分からない


などといった場合は、ナベヤの「制振ソリューション」で解決できます。
ヒアリング・調査から対策製品の供給まで一貫して対応する技術サポートになりますので、ぜひご活用ください。

あわせて読みたい「お役立ち情報」

アクティブ除振製品の選定・導入方法

半導体製造に使用される装置の多くには設置する床の振動許容基準が設けられており、基準を超える場合は、必ず除振対策を行う必要があります。
そのため、装置設置場所の現状を把握した上での、製品選定と導入が重要となります
ナベヤは、アクティブ除振システムの販売だけではなく

  • 振動環境改善システム全体の設計
  • 振動測定
  • 剛性架台の設計・製作
  • 施工
  • アクティブ除振システムの設置・調整


までトータルでサポートいたします。
お気軽にWEBサイトからお問い合わせください。

アクティブ除振製品」導入までの流れ

装置設置場所の確認

ご使用装置の仕様、振動障害内容、求められる防振・制振機能を確認いたします。

課題・要望のヒアリング

振動問題の原因となる発生元、大きさ、状況をヒアリングし、問題点を明確にします。 また、設置場所の梁や高さ、障害物の有無などの現場確認を行います。

原因や状態の把握・目標値の設定

振動の発生元や伝わる経路を測定し、周波数・大きさを明確にします。振動測定の結果と問題の状況から低減目標値の設定を行います。

対策製品の提案

振動対策結果と設置する装置の振動基準を比較し振動対策の要否を確認します。
振動対策が必要かつパッシブ除振製品での対策が難しい場合はアクティブ除振システムを提案いたします。

設計・製造

アクティブ除振システムを選定後、弊社にて設計・製造を行います。

納入・据付及び設置後の報告

据付

豊富な実績とスキルを有した作業員が工期・工程管理から搬入・設置・芯出しまで、安全・確実・清潔に据付いたします。

報告

据付後に効果を測定し、設置前後のデータを基に報告します。