測定機用ジグとは

はじめに

測定機使用におけるジグの必要性

三次元測定機に代表されるような測定機を用いて正確に繰り返し効率よく測定を行うためには以下2点が重要です。

  • 極力1度の段取りで多数のポイント、多くの数量を測定すること。
  • 定めた位置、角度で固定すること。


複雑な形状のワークの場合、固定の仕方・角度等によって、1ワークあたりの測定に要する段取り回数が変化します。
さらに、全数検査等で多数個測定を行いたい場合、正しく同じ位置に繰り返しワークを設置する必要があります。

ジグを用いて測定を行うことで、測定ミスを抑え、正しく・効率よく測定を行うことができます。

測定機に活用できるジグとは


ワークサイズ・形状や、目指す効果に合わせて、測定機に使用するジグを選ぶ必要があります。
測定機でジグを活用するには、大きく3つの方法があります。

「測定機用ジグ」を活用する

測定機での使用に特化したジグ製品です。
ワークへの影響を考慮し、耐食性に優れた素材(ステンレス・アルミニウム等)を使用。
ワークやジグへの加工負荷が想定されないため、誰でも扱いやすいよう、素材や構造で軽量化されています。

メリット デメリット

・測定機での使用に最適設計されているため、作業性に優れ、測定不良を

 起こすリスクが低い。

・汎用性に優れた設計のため、専用ジグ製作に比べて誰でも扱いやすく、

 技術・人的コストが不要。

・異なるワークであっても繰り返し使用できるため、ランニングコストを低減。

・専用ジグの保管スペース・防錆などのメンテナンスによるランニング

 コストが発生。

汎用性の高い「加工用ジグ」を活用する

加工用のジグでも、クランプ方法や機上設置方法を工夫することで、測定シーンでも活用できます。

メリット デメリット

・加工用のジグを流用できるため、測定用にジグを購入する必要がない。

・測定工程に特化した製品ではないため、ワークへの汎用性には乏しく、

 使い方にも工夫が必要。

「専用ジグ」を活用する

ワークに合わせて加工用のクランプ・位置決め部品を流用して製作する「専用ジグ」は測定にも活用できます。
作業性、繰り返し精度を高めて測定することが可能です。

メリット デメリット

・ワークの形状、サイズ、測定ポイント・数量などさまざまな条件に合わせて

 設計、製作ができる。

・ジグ側に作業性、繰り返し精度など機能を盛り込むことができる。

・専用ジグを設計する技術・人的コストが必要。

・専用ジグの保管スペース・管理体制が必要。

・一品一様なので汎用性に優れておらず、イニシャルコストが大きく、

 納期もかかる。


測定機による検査・測定工程を中長期目線で効率化していくには、測定機用ジグを導入がオススメです。

ナベヤの測定機用ジグラインナップ

ナベヤが取り揃えている測定機用ジグの製品について紹介します。

測定用バイス
オススメ対象ワーク
サイズ:小物
形 状:複雑、薄物、丸材、角材


特長
・ノブ操作のみで素早く簡単にクランプ・アンクランプできる測定専用のバイスです。
・口金面の上面に設置したピンでワーク下部をクランプ。
 そのため、測定パスのジグ干渉を回避、主軸の寄付き性を高めて多面を断続して測定できます。
・ストロークが大きく、ピンの配置変更によって、対象ワークサイズや形状の柔軟性に優れています。
 また、嵩上げブロック・搬送用パレットといったオプション品の活用で、多面測定、多数個取りを実現して測定効率を高めます。

測定機用ジグセット
オススメ対象ワーク
サイズ:大物
形 状:複雑、丸材、角材


特長
・このセット1つで測定機用のジグを構築できます。
・ネジ固定のため誰でも容易にジグの構築ができます。
・クランプや位置決めを任意の位置に配置が可能。複雑なワーク形状でもクランプができます。
 また、測定パスのジグ干渉を回避させることできるため、多面を断続して測定できます。
・繰り返し使用することができるため、ワーク変更のたびに発生するジグを購入が不要。
 コストの低減・保管スペースを縮小できます。

フレックスサポート
オススメ対象ワーク
サイズ:大物
形 状:複雑、丸材、角材


特長
・R、球、曲面を受けることができるサポート。
・単体でのクランプはもちろん、測定ジグセットと組み合わせた使用も可能。
 これにより、大物ワークのクランプジグをシンプルに構成できます。
・レバー操作で素早く簡単にワークをサポ―トできます。

メジャーリングクイッククランプ
オススメ対象ワーク
サイズ:小物
形 状:薄物、丸材、角材


特長
・ワークを工具レスで素早くクランプ、アンクランプできるように、スプリングを利用したクリップ操作のクランプユニット。
・平面、V溝一体型のクランプ面形状のため、プレート・円柱ワークをクランプすることができます。
・底面、保持面及び背面の精度は、平行度:0.01/直角度:0.015。
 これにより、ジグの測定誤差を最低限に抑えます。さらにワーク形状に合わせて置き方を変えて使用することも可能です。

ナベヤの測定機用ベースについて

クランプユニットだけでなく、ワークのサイズやクランプ、位置決めの配置に合わせてベースを選ぶ必要があります。
ナベヤでは、測定機用ジグに合わせたベースもご用意。組み合わせてご使用頂くことが可能です。

測定用搬送パレット


特長
・測定機の機外段取りだけでなく、機上でも段取りできるベース。
・アルミ製で軽量かつハンドル付きなので、誰でも持ち運びやすい構造です。
・黒アルマイト処理により、反射等を抑える画像測定にも流用可能です。
・タップ穴付きで、測定用バイスやジグをパレット上に構築できます。
・1度の段取りで複数のワークを測定できるように、測定用バイスを最大6個設置できます。
 また、「搬送パレット取付ベース」が付属した「測定用搬送パレット段取りシステム」もご用意。
 機上設置もスライド挿入して位置決め、レバー操作で素早く固定ができるため、よりスピーディーに段取り替えできます。

アルミサブテーブル


特長
・測定機上でのジグ構築に活用できるベース。
・アルミ製で軽量かつシンプルな形状なので、誰でも使いやすい構造です。
・タップ穴はネジ径M8なので、測定機用ジグシステムと合わせて使用可能です。

導入事例

測定用バイス

ワーク情報
サイズ:小物
形 状:丸材

ワークの外周、上面のポケット形状の寸法を1チャックで測定できます。


使用製品

測定機用ジグセット

ワーク情報
サイズ:大物
形 状:複雑

複雑なワーク形状でも、安定した姿勢で繰返し位置決め、保持。
測定パスに干渉なきクランプの配置で上面/側面の穴位置や角度を1チャックで測定できます。


使用製品

測定機用ジグセット+フレックスサポート

ワーク情報
サイズ:大物
形 状:丸材

転がりやすいR状の面を受けて、安定した姿勢で測定できます。
Rの大小変動時にも形状になじみ、レバー操作で保持できます。


使用製品

メジャーリングクイッククランプ

ワーク情報
サイズ:小物
形 状:丸材

クリップ操作で素早くワークを交換して外周を測定できます。


使用製品

選定方法

シリーズから選ぶ

ナベヤ公式サイトでは、測定用ジグ製品・パーツをまとめたページをご用意しています。
まず一覧で確認してからお選びされたい場合、ぜひご活用ください。

機種から選ぶ


三次元座標測定機で使用可能なジグを掲載したコラボカタログをご用意しています。
既にお持ちの機種・購入ご検討中の機種がございましたら、そちらからお選び頂くことも可能です。

東京精密

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