バイスとは

バイスとは、ワーク(素材や材料)を口金面で挟み、締め付け操作によって固定するジグの1種で、日本では"万力"と呼ばれることもあります。
主に、マシニングセンタ、平面研削盤、ボール盤、三次元測定機などの機械・装置に使用されます。

最近では、人材不足の解消、品質安定化、リードタイム短縮などを目的とした5軸・複合機による工程集約やロボットを使用した自動化が普及し、用途、使用条件などに合わせたさまざまな形状や機能をもつバイスが開発されています。

バイスのラインナップ

  • マシニング加工

  • 研削

  • 三次元測定

  • ボール盤加工


バイスの特長

バイスには、ワークの位置決めとクランプする機能が集約された構造で、さまざまなワークサイズをクランプできる汎用性に優れたジグです。
その中でもマシンバイスの機能や構造は、日本工業規格「JIS B 6162」によって制定されていましたが、現在は廃止されており日本工作機械工業会の規格として制定されています。

バイスの構成・役割


一例として、手締め式マシンバイスは以下の部品と役割で構成されています。

構成 役割
固定アゴ・口金 奥行方向のワーク位置決め
可動体・口金 ワーククランプ
本体 高さ方向のワーク位置決め
ハンドル 可動体・口金の作動

特長

固定アゴによる位置決めと可動体の移動でクランプする機能を兼ね備えているため、
複数の位置決め部品の調整、クランプユニットの締め緩めが不要です。


ワークサイズが変更になってもハンドル操作で口金面の開きを調整してクランプできるため、ワークサイズに合わせたジグの交換が不要です。

バイスの用途別分類

バイスは使用用途によって求められる機能や精度が異なるため、以下の用途別に分類されます。

  • マシニング加工用
  • 研削用
  • 測定用
  • ボール盤加工用

マシニング加工用

マシニング加工用バイスとは

マシニング加工用バイスとは、マシニングセンタの機械テーブルに取り付けてワークを位置決め・クランプするユニット製品です。
主に以下のような機械で利用されます。

  • 立形マシニングセンタ
  • 5軸マシニングセンタ
  • 横形マシニングセンタ
  • 門型マシニングセンタ


  • 立形マシニングセンタ

  • 5軸マシニングセンタ

  • 横形マシニングセンタ

マシニング加工用バイスに求められる基本的な機能

マシニングセンタは複数の切削加工を自動化して行うため、バイスには以下の機能が求められます。

ワークの位置を高精度に繰り返し位置決めできること
作業者のスキルによって位置決め精度、段取り時間にバラつきがあるとワークの精度、リードタイムに影響します。
そのため、極力「誰でも・容易に・高精度に」位置決めできるようにする必要があります。


ワークの剛性や加工条件に合わせてクランプ、保持できること
ワークに剛性がない場合はクランプ力によって歪みが生じます。
歪んだ状態で加工すると、アンクランプ時に歪みが戻ってしまうためワークの精度に影響します。
加工精度を確保するためには、平行かつワーク剛性に合わせて締付力を調整して歪みを抑えてクランプできる機能が求められます。
また、加工工数を削減するために高負荷条件で加工する場合は、ワークに加わる大きな切削負荷に対して、ワークが動かないように強力に締め付けできなくてはなりません。


機械テーブル、ジグベースに位置を決めて取り付けできること
マシニングセンタの主軸と機械テーブルが精度の基準になるため、ワークの位置は機械テーブルに取り付けたバイスの口金面の位置で決まります。
そのため、バイスを機械テーブルのピン穴や基準T溝を用いて位置決め・固定して平行かつ直角に取り付けできるようにすることが求められます。

マシニング加工用バイスのシリーズラインナップ

マシニング加工の現場は、作業者の勤務状況やスキル、ワークや機械の条件など加工の環境や文化によって課題は多種多様です。
ナベヤでは、バイスの基本的な機能を備えつつ、お客様のさまざまな課題を解決できる特長をもった製品ラインナップをご用意しております。

研削用

研削用バイスに求められる基本的な機能

平面研削は、砥石を高速回転させて表面を削って滑らかに仕上げることができます。
高い寸法精度や表面粗さ、幾何公差を確保するため、バイスには以下の機能が求められます。

ワークの位置を高精度に繰り返し位置決めできること
作業者のスキルによって位置決め精度、段取りに時間にバラつきがあるとワークの精度、リードタイムに影響します。
そのため、極力「誰でも・容易に・高精度に」位置決めできるようにする必要があります。


ワークの剛性や加工条件に合わせてクランプ、保持できること
ワークに剛性がない場合はクランプによって歪みが生じやすく、研削後(アンクランプ時)に歪みが戻ってしまうためワークの精度に影響します。
研削の精度を確保するためには、平行に、また、ワーク剛性に合わせて締付力を調整して歪みを抑えてクランプできる機能が求められます。


機械テーブルのマグネットに吸着できること
平面研削盤のテーブルにはマグネットチャックが設置されているものが一般的です。
そのため以下2点が求められます。

・バイスの本体が吸着できる磁性体(鉄系)であること
・マグネットチャックは接触(吸着)する面積によって吸着力が異なるため、底面が極力吸着面を確保できる平面形状であること

研削用バイスのシリーズラインナップ

マシニング加工の現場は、作業者の勤務状況やスキル、ワークや機械の条件など加工の環境や文化によって課題は多種多様です。
ナベヤでは、バイスの基本的な機能を備えつつ、お客様のさまざまな課題を解決できる特長をもった製品ラインナップをご用意しております。

測定用

測定用バイスとは

測定用バイスとは、主に三次元測定機のテーブルに設置や取り付けを行いワークを位置決め・クランプするユニット製品です。

測定用バイスに求められる基本的な機能

三次元測定機は、ワークの寸法を高精度に測定する装置です。測定プローブが移動し、ワークの表面座標を取得するため、バイスには以下の機能が求められます。

素早く容易に操作できること
ワークに負荷がかからない測定では、大きな締付力が不要なため、極力工具を使用せず素早くクランプ/アンクランプできることが求められます。


ワークに極力負荷を与えずに保持できること
強い力でワークをクランプをすると、歪みが生じ、アンクランプ時に歪みが戻るため測定結果に悪影響を及ぼします。正確に測定するには、極力ワークに負荷を与えないようにクランプ・保持できることが求められます。


測定機のテーブルを傷つけない素材であること
測定機のテーブルの多くは石製です。バイスの取り付けや段取り作業で基準となるため、テーブル面に傷がつきにくい素材であることが求められます。

測定用バイスのシリーズラインナップ

測定の現場ではワークごとにジグ構築が必要であったり、小ロットで測定を行ったりと非効率的な場面が多いため、効率化が求められています。
より効率よくワークを測定するため、ナベヤでは測定用バイスと、お客様の課題に寄り添うことができる豊富なオプション品をご用意しております。

ボール盤用

ボール盤用バイスとは

ボール盤加工用バイスとは、ボール盤の機械テーブルに設置してワークを位置決め・クランプするユニット製品です。

ボール盤用バイスに求められる基本的な機能

ボール盤加工用バイスは、主にタップとドリルを用いて穴加工を施します。
主に以下のような機能が求められます。

操作性がよく軽いこと
作業者のスキルによって段取りに時間にバラつきがあると、リードタイムに影響します。
そのため、極力「誰でも・容易に・素早く」位置決め・クランプできるようにする必要があります。


しっかりとワークが保持できること
ボール盤でタップやドリル加工を行う際に発生する負荷に対して、ワークが動かないように保持する能力が求められます。


貫通穴加工ができること
タップやドリルの加工時にワーク下面に刃先が貫通するため、ワークを嵩上げできる口金やパラレルブロックが設置できることが求められます。

ボール盤バイスのシリーズラインナップ

マシニング加工の現場は、作業者の勤務状況やスキル、ワークや機械の条件など加工の環境や文化によって課題は多種多様です。
ナベヤでは、バイスの基本的な機能を備えつつ、お客様のさまざまな課題を解決できる特長をもった製品ラインナップをご用意しております。

選定方法

マシンバイスの選定のポイントを解説しています。

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