ガススプリング【注意点】

選定上の注意点

■ガススプリングは無負荷の状態が最大長でありガス反力が最小になります。
ガス反力が大きいものは、人の手で縮ませることが難しいため、ガススプリングを最大長で取り付けられるようにしてください。
最大長が扉を実際に使用する角度よりも広がった状態で取り付く場合はストッパーなどを使用して角度を調整して固定してください。

■ガススプリングが最も縮んだ時に、ロッド取り付け部とロッドガイドの間に10mm程度の余裕を持たせてください。

■ガススプリングのストローク以上に扉が開く場合、あらかじめ扉にストッパーなどを取り付け、ガススプリングに引っ張り荷重がかからないようにしてください。
製品破損の可能性が有ります。

■ガススプリングを扉などに使用した時、ロッド軸方向以外の力を加えないでください。
製品破損の可能性が有ります。
そのため通常、扉などには2本1組で使用してください。

■ガススプリングのロッドを下向きとし、稼動範囲内で垂直より60°以上傾く場合は、取付角度フリータイプのガススプリングを選択してください。

■取付角度フリータイプ(GSKF)は、ガススプリングのロッドを下向きに設置することを推奨します。
一部の機種を除いて最大長付近で減衰効果が得られます。

■ガススプリング内部及び取り付け部・扉のヒンジ部などの摺動抵抗などを考慮の上、選定してください。

■ガススプリングは、扉などの開閉の補助を目的としており、扉などに突風や重量の増加など外的な要素が加わると扉などが動いてしまう恐れがあります。
また、「使用上の注意」に反し、ガスが抜けると扉などが動いてしまう恐れがあります。
扉の状態を保持する場合は、掛け金・支え棒などのストッパーを取り付けてください。

■ガス反力は、カタログ上、最大長-10mm時と最小長+αmm時の2点が記されております。
一般的に、ガス反力は比例変化します。
そのため、必要なストローク時の反力を求める時は、図のようにこの2点を直線で結んで、知りたいストロークの個所を読み、推測してください。

■カタログ上のガス反力は20℃の時の値です。
20℃以上の時はガス反力が大きくなり、20℃以下の時はガス反力が小さくなります。

■仕様・用途など不明な点はお問合せください。

■記載の選定方法は、あくまで計算上のものなので、使用ガススプリングの決定の際には必ず実機や試験機などでご確認ください。

使用上の注意

■ガススプリングを水、海水、洗剤、薬品等がかかる場所に使用しないでください。
外観の錆及び錆に起因するガス・油漏れの可能性が有ります。

■ガススプリングにごみ・ほこり・粉塵・砂・泥等が付着すると、シール部に噛み込み、ガス・油漏れの可能性が有ります。

■ロッドやロッドガイドに潤滑油等を注油しないでください。
シールを痛め、ガス・油漏れの可能性が有ります。

■ガス・油漏れが発生した際は、直ちに使用を中止してください。

■ガススプリングに傷・打痕を付けぬよう使用してください。
作動不良及び、ロッド傷に起因するガス・油漏れの可能性が有ります。

■ガススプリングに曲げ荷重、こじれ、ねじれを加えないでください。
ガス・油漏れ・取付け部破損等の可能性が有ります。

■ガススプリングの取り付け部を回転させて使用しないでください。
両取り付け部の角度が異なると、曲げ荷重やねじり荷重が発生し破損の可能性が有ります。

■ガススプリングを微振幅での使用及び、微振動が加わる場所で使用しないでください。
シール部が摩耗しガス・油漏れの可能性があります。

■ガススプリングが最も縮んだ時に、ロッド取り付け部とロッドガイドの間に10mm程度の余裕を持たせてください。

■カタログ上のガス反力は20℃のときの値です。20℃以上の時はガス反力が大きくなり、20℃以下の時はガス反力が小さくなります。

■使用・保管時の製品温度は、-20℃~60℃の範囲としてください。運送(陸海空)は、上記が守られた状態で行ってください。

■分解しないでください。

■仕様・用途など不明な点はお問合せください。

破棄上の注意

■破棄の際、火中に投じないでください。
封入されている窒素ガスは不燃性ですが、火中に投じるとガスの膨張やシール等が破損し、ガス・油が噴出し非常に危険です。

■ガススプリングはボール盤に水平にしっかり固定した上で、チューブの取り付け部側端面から10mm~20mmの位置に、3mm~5mmのドリルで穴を開け、ガス抜きを行った後に廃却してください。
このとき、内部オイルや切粉が内部圧縮ガスにより飛散する恐れがあるため、必ず保護メガネをかけて作業してください。
また、必ず廃却する前に、ロッドを縮めて伸びてこないことを確認し、内部のガスが抜け切っていることを確認してから廃却してください。