除振・防振アカデミー

【対策の注意点】悪影響の要因!重心高さによる障害とは?

対策したけど効果が無い、悪くなった要因の一つとして、重心位置が高いことによる揺れの障害があります。
ここでは、振動ではなく、重心の高さによる影響の違いや対策のポイントを分かりやすく解説しています。

重心が高いことによる揺れが原因

障害となる要因や振動対策には重心の位置も大きく関わります。
対策したい対象物の重心位置によって、伝わる振動そのものが小さくとも対象物の揺れを大きくしたり、対象物そのものが揺れてしまうことがあります。揺れ対策と振動対策の違いを理解していきましょう。


重心位置の高さによる揺れやすさ

物体の重心位置により揺れやすさは大きく関わってきます。
重心位置が高い場合、小さな力が加わる場合でも揺れは大きくなります。

作業台に重量物を乗せた際に揺れが発生
作業台より重量のある物体を乗せた場合、重心が高くなることで、小さな振動でも大きく揺れてしまうことがあります。
   

作業台に重量物を乗せた際に揺れが発生?

設備や装置に揺れが発生
装置なども同様に重心が高いと揺れやすくなります。
特に、ステージのような荷重変動がある装置に振動対策を行った場合、重心位置が高いと装置自身が揺れてしまうことがあります。

設備や装置に揺れが発生

このように、重心位置が高いことにより、本来影響を及ぼさないほどの振動でも、重心位置が高いことにより大きな揺れを起こす要因につながっているのです。
振動を除去しても、効果が薄かったり、逆に悪くなることは、重心位置が高く揺れてしまうため、まずは揺れ対策を行うことが重要となります。

重心位置を下げることがポイント!

振動対策を行う場合は、揺れを抑える対策も同時に必要となります。
まずは揺れを抑えるために、重心を低くすることが重要なポイントとなります。


環境に合わせて重心を下げる方法

作業台に重量物を乗せる場合の対策
作業台に乗せる物体が重量物の場合、作業台に剛性があり重量のあるものを使用する、または作業台の下に重量を持たせることにより、重心が低くなり揺れにくい状態となります。

作業台に重量物を乗せる場合の対策?

設備や装置の揺れ対策
装置に荷重変動がある場合なども、装置の下に重量のあるベースや基礎を設置することで、重心を低く下げ、揺れを最小限に抑えることができます。
 

設備や装置の揺れ対策

設置環境に重量制限がある場合の揺れ対策
重量制限がある場合、懸垂型により重心を下げて対策を行う方法もあります。
荷重を受けるポイントと重心を近くすることで揺れにくくし、振動対策を行う方法です。

設置環境に重量制限が揺れ対策

このように、振動と思われていた原因が、実際は重心位置が高いことによる揺れが原因として現れる場合も多くあります。
振動対策を行う前に、障害の原因が振動か、重心位置による揺れなのかをを把握し、揺れ対策と振動対策と切り分けて対策を行うことが大切です。


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