除振・防振アカデミー

【対策の注意点】悪影響の要因!剛性が関与する障害とは?

対策したけど効果が無い、悪くなった要因の一つとして、対象機器などの剛性がないことによる揺れの障害があります。
ここでは、振動ではなく、剛性の有無による影響の違いや対策のポイントを分かりやすく解説しています。

剛性が低いことによる揺れが原因

障害となる要因や振動対策には剛性の有無も大きく関わります。
対策したい対象物の剛性によって、伝わる振動そのものが小さくとも対象物の揺れを大きくしたり、対象物そのものが揺れてしまうことがあります。揺れ対策と振動対策の違いを理解していきましょう。


剛性が低いことによる揺れやすさ

対象物の剛性有無により揺れやすさは大きく関わってきます。
剛性が無いものは、たとえ小さな振動でも、その対象物そのものが弱いために大きな揺れとして表れてしまいます。

剛性の無い作業台による揺れが発生
剛性が低い作業台に振動が加わると、その振動以上に作業台自身が揺れてしまいます。

振動とは?

作業台と同様に、設備や装置においても、フレームなどの剛性が無い場合は、小さな振動でも大きな揺れとして表れてしまうことがあり、揺れの障害につながります。

このように、剛性のないものは小さな振動でも揺れにつながるため、振動対策をしても効果は弱くもしくは悪くなります。
障害となる原因が剛性によるものか、振動によるものかを把握し、それぞれの原因に対して対策を打つことが重要となります。

剛性確認と剛性を高めることがポイント!

振動対策を行う場合は、揺れを抑える対策も同時に必要となります。
まずは揺れを抑えるために、剛性の有無を確認する、剛性を高めることが重要なポイントとなります。


剛性確認方法

剛性のある作業台は揺れにくいため、下図の通り、床の振動をそのまま作業台の上面でも同じ振動を伝えます。
この剛性のある物体の振動の伝わり方を利用し、簡易的に作業台の剛性を確認することができます。

剛性確認方法

卓上測定機のような小型のものに限定されますが、作業台の上で測定した場合と床に降ろした場合の測定値を比較します。
測定値が同一の場合、床と作業面で変化がないため、作業台の剛性は高いと判断できます。
床に降ろして測定した値より作業台で測定した値が悪い場合、作業台が原因のため作業台の剛性が無いと判断できます。

剛性確認方法

作業台の剛性の確認ができた段階で、作業台の剛性はあるが振動障害がある場合、振動対策を行います。
床に降ろして正確に測定できる場合は、振動対策ではなく、揺れ対策となりますので、作業台の剛性をあげることで改善、解決されます。

設備や装置なども同様に剛性がない場合は揺れやすくなるため、振動を嫌う装置については、剛性を高めることは重要なポイントとなります。

このように剛性を上げる揺れ対策と振動による対策を切り分けて行うことが必要です。
揺れと振動の関わりや対策の違いを理解し対策を行いましょう。


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