「除振・防振アカデミー」第1回では除振と防振の違いや、振動の基礎知識について解説します。
除振、防振は何れも有害な振動を小さくすることをいいますが、以下のように使い分けされます。外部から伝わる振動を取り除き、機器への影響を少なくすることを「除振」といいます。たとえば、振動を嫌う精密測定機器(半導体・液晶製造検査装置や顕微鏡など)は、人体に感じられないほどの僅かな振動も検査結果に大きく影響してしまうため、「除振台」と呼ばれる防振マウントを組み込んだ台に載せて、床から伝わる振動を取り除く必要があります。
また、除振とは反対に、振動を発生させる機器(送風機やポンプ、工作機械など)から外部に振動が伝わらないように防ぐことを「防振」といいます。
除振、防振は何れも有害な振動を小さくすることです。ほとんどの除振・防振製品は「除振」「防振」の両方に使用できます。
振動周波数とは「1秒間に何回揺れるか」を示したもので、単位は「Hz(ヘルツ)」で表します。
例えば、1秒間に3回揺れた場合は3Hzとなります。
ある物体に振動を与え、放置しておくとその物体固有の繰り返しで振動(自由振動)します。
この振動を固有振動といい、その周波数が固有振動数です。
ある物体が固有振動数と同じ周波数で繰り返す力を受けると物体が大きく振動する共振という状態になります。
この共振の発生する周波数が共振周波数です。
物体が共振すると大きく振動します。したがって床や機械構成部品の共振が、振動問題の原因になることがあります。