除振・防振アカデミー

第2回 弾性と粘性

「除振・防振アカデミー」第2回では除振・防振に取り入れられている弾性(スプリング)と粘性(ダンパー)の部品について、その機能や活用例を解説します。

弾性と粘性の機能

弾性(スプリング)は伸びたり、縮んだりして、振動が対象物へ与える力を一時的に蓄え、振動が伝わるのを防ぎます。粘性(ダンパー)は振動から対象物へ伝わる力を熱に換えて吸収します。
弾性(スプリング)のみを使用した場合は振動源の振動が止まっても弾性(スプリング)に蓄えられた力により対象物は動き続けますので、振動を吸収する粘性(ダンパー)が必要です。粘性(ダンパー)は運動することにより振動を熱に換えますので、伸縮する弾性(スプリング)が必要です。

ポイント

最適な除振・防振を行うためには、弾性(スプリング)と粘性(ダンパー)をうまく組み合わせて利用する必要があります。

弾性(スプリング)

力を一時的に蓄える

粘性(ダンパー)

力を熱に換えて吸収する
粘性による振動吸収のイメージ 粘性が小さいと振動は大きく、粘性が大きいと振動は小さくなります。

スプリングやダンパーの活用例

電子顕微鏡や半導体製造装置、各種精密検査・測定機の除振に使用されるばねマウントは、コイルばね(スプリング)と粘弾性体(ダンパー)が内部に組み込まれています。
これらの特性を調整することで、振動を取り除き、且つ揺れを早く抑えられるように設計されています。

その他、ゴム製のエアベローズ(スプリング)と油の粘性を利用したオイルダンパー(ダンパー)の組み合わせや、単体でどちらの特性も兼ね備えるウレタンパッド(スプリング&ダンパー)などが活用例として挙げられます。

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