治具ってすごい!アカデミー

第3回 治具構想のポイント(基礎編)

「治具ってすごい!アカデミー」第3回では加工するワークや工程数などを考慮した治具構想のポイントの基礎となる考え方を解説します。
治具を導入する前に確認しておくべきことを学びましょう。

加工面の確認

治具を導入する前にまず考える点は、図面中の加工ポイントを明確にすることです。
はじめに、加工部位を面として捉えて、何面あるかを確認する必要があります。

工程数の決定

次に図面中の幾何交差を明確にすることが重要です。お互いの面の関係は幾何公差で確認を行い工程数を決めます。
特に、同軸度又は直角度等で高精度を求められる場合は、下記を考慮して工程数を決めてください。

  • 治具精度の検討(直角、平行、基準ピンのピッチ…etc)
  • 荒・仕上げの必要性(直角度、平行度、穴径、穴ピッチ…etc)
  • 同時加工(横形又は5軸MC等)の必要性(同軸度、対称度…etc)

現物素材の確認

現物素材の確認を行わずに治具製作を行うことが、治具トラブルの中で一番多い要因です。下記のような確認を必ず行うことをおすすめします。

  • 現物と図面は同じか、古いものではないか(設変前)
  • 抜き勾配はどの程度か、図面に明示されているか
  • パーティングラインの場所とバリの現状はどうか、バリが増殖する今後はどのように対処するか

基準の決定

基準の決め方(1工程目)

1工程が治具のすべての鍵を握るといっても過言ではありません。下記の黒皮基準を選ぶための5つのポイントを押さえ、2工程目以降の基準となる加工面に歪みが発生しないように十分に注意してください。

  1. 図面中に基準表示のされている場所
  2. 図面上の寸法線の出発ポイント
  3. 安定した平面のある場所
  4. 型割面のパーチングライン付近を避けた場所
  5. 出来るだけ同じ割型面になる場所(特に受け面)

基準の決め方(2工程目以降)

加工面での位置決めポイント(2工程目以後)は下記の通りです。
※2工程目の加工に際して、基準が取れない場合は1工程目で基準用捨て加工を行うようにしてください。(ただし加工しても問題のない場合に限ります)

  1. 1工程目で加工された面又は穴を利用する
  2. 多工程ある場合は出来るだけ基準を統一する(基準を増やせば、それだけ製品精度がバラつく)

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