【製品名】
マグネットチャック付MCアングルプレート GTM500-406HD リフト機能付きマグハイトブロック MHB L-R70C-45
【導入前の課題や問題】
以前、ワークセッティングの時間短縮にマグネットチャックの導入を検討していたが、ワーク材質がSK材であることによる吸着力の不安、残留磁気によるワーク取り外し手間がかかるのではないかと導入を見送り、手締めクランプを利用してきた。
【対策と導入後の効果】
□500横型MCの新規導入にあたり、イケールとクランプをメーカーに相談。メーカー担当者よりSK材でもマグネットチャックを使用した加工例があること、磁気が残ったままのワークの取り外しに、切り離しができるブロックがあることを提案を受け、ワークの着脱時間改善のため導入を決めた。想定通り、加工はもちろんだが、ワーク着脱時間が10分以上から3分に短縮され、ワークの切り離しに関しても、リフト機能付きマグハイトブロックを使用すれば問題ないことが確認できた。
5軸マシンバイス 5AU-75-130 Q-ロックエレメント QLA-KS10.3 エアーブローガンバルブ QLA06G
機械テーブルのロータリーテーブル用治具はワーク形状によってマシンバイスとチャックを使い分ける必要があり、交換時間が10分以上かかっていた。
メーカー担当者に提案を受けたQ-ロックエレメント(空圧)とエアーブローガンバルブを組合わせたロータリーテーブル用のベースプレートを採用、装着した。あわせて機械テーブルへの平置き用にも同じシステムを組んだベースプレートを採用し、ロータリーテーブルと平置きの間を同じ治具を行き来できるようにした。ワークに応じて、同じ機内で平置き側でワークを加工後、これをクランプしたままロータリーテーブルへ装着できるので、治具+ワーク交換時間は1分程度で行えるようになった。
クランプマスターバイス ETS75-3 クランプマスターバイス用口金 VB75
数量が多い刻印作業で、ネジ式のバイスを利用していたが、ワークの着脱作業を手間だった。また円柱ワークの姿勢を安定させるのも時間がかかっていた。
商社様の勧めで、レバー操作だけのクランプマスターバイスに変更した。ハンドルを回す必要がないため、着脱作業の手間も軽減した。また円柱ワークに対して、V溝がカットしてあるVB口金を利用。簡単にセッティングを行えるようになった。
マグネットチャック MTBP630HD70S
ロ630横型MCの新規導入を行い、従来の□500のイケールをブッシュ穴加工用治具として使用した。但し、治具の位置決めやクランパーによるセッティング時間が30分以上必要だった。
□500のイケールのクランプ作業をスイッチ操作だけで済むマグネットチャックに変更した。本体に高さ位置決め用のマグハイトブロックや側面に位置決めプレートを設置し、段取り時間が10分程度になった。
マグネットチャック MTB404HD70S
普段はマシンバイスでの作業が大半だが、バイスではつかめないワーク形状の場合、クランパーによる治具構築を行い、30分~40分程度の時間を費やしていた。またワークによっては治具材料も足らないこともあり、他の機械から借りてきたり、市販品の納入を待ったりして時間のロスが発生していた。
改善目標として治具構築時間の短縮をテーマとし、展示会でみたマグネットチャックに注目した。社内にあるマグネットチャックと異なり、ミーリング加工用であったこと、ブロックやプレートで位置決めが簡単に行えること、吸着方向からワーク形状の対する自由度が高いことから採用をした。治具構築時間も10分程度になり、また治具材料の不足もないので、時間ロスが大幅に削減できた。現在では嵩上げ用ブロックを内製化し、共削りによる貫通穴加工を行うなど、加工の幅を広げている。
ローウエッジクランプ LWC12
以前はワーク形状にあわせて成形したバイス口金治具を使用していたが、ロットも少なく都度の口金交換と位置決めが手間だった。またワークがバイスの口幅より大きいためワーク位置決め時間もかかっていた。
メーカーに紹介してもらったローウェッジクランプをベースにしたプレート治具に変更し、バイスで挟む方式に変えた。クランプの大きさもコンパクトのため、治具プレートが小さくでき、治具の取付けが楽に行えた。ワークの取付けにくさも改善され、だれでも簡単にセットが行えるようになった。
マグネットチャック MTB608HDマグワークサポート MWS-R76A-45
ワーク素材の歪みが大きく、歪み取りに時間がかかっていた。また上下面の面削で側面をクランプするとクランプ歪みが出てしまい、さらに、ワーク中央にサポートジャッキが入らず、加工中にビビりが入っていた。
ワーク素材の歪み取り時間の短縮、クランプ歪みの解消のため、マグネットチャック5枚にマグワークサポートを並べて、機械テーブルへ設置した。歪みの取りにかかっていた時間がワークサイズによっては70%削減出来た。さらにクランプ時間の短縮のため、オペレーターがワークの周りを移動せずにクランプすることとし、マグネットチャックのケーブルを1ヶ所に集約。クランプ作業だけで15分から3分に短縮された。ワーク中央もマグネットチャックで確実に吸着、サポートが出来るようになり、加工中のビビりも解消された。
マグネットチャック MTB406HD70S リフト機能付きマグハイトブロック MHBL-R70C-45
ワーク変更による、治具構築時間が人によってばらつき、40分以上かかっていた。マグネットチャックを使った治具製作時間の短縮は以前より構想はしていたが、材質がSK材だったため、過去の経験上、吸着力の問題、ワークの取り外しに時間がかかるため実施できなかった。
メーカーからテスト機を借りて、テストカットを行った。吸着力の問題はなかったが、念のため側面のタップ穴を利用して、位置決め用と切削抵抗受けのアタッチメントを取り付けた。位置決め用のアタッチメントでワークサイズが変わっても当りが取れるので、狙い通り、治具構築時間が30分削減できた。またワークの切り離しに関して、リフト機能付きマグハイトブロックをマグネットチャックとワークとの間に組込み、簡単に行えたので、何ら問題が無かった。
マグネットチャック MTB508HD70S
従来、上押しクランプで、ワーク上面をクランプしていたが、上面全加工のため、1度クランプを取り外して、別の場所にクランプする必要があった。1回目が30分、2回目は20分、合計50分もクランプの取付作業に費やしていた。
クランプ方法を上面クランプから下面吸着するマグネットチャックに変更した。このため刃具干渉の心配がなくなったので、クランプを取り外すこともなく、連続して加工が行えるようなった。
マルチオートクランプ MR121A
内製の5個付け治具で1日500個加工していたが、クランプはレンチ操作が必要な横押しクランプを使用していた。このため、クランプとアンクランプのレンチ操作だけで、1個あたり10秒かかっていたので、より早くできるように改善を行った。
レンチ操作が不要なマルチオートクランプを採用した。工具レスでワークの着脱が出来る為、ワーク1個当たり、約8秒の短縮が出来た。同じ500個/日の生産の場合、8秒×500個 4000秒/日 約67分/日の時間短縮が出来た。
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