クランプユニット

クランプユニットとは?

単独でベースへの取付けとワークのクランプが可能な複数の部品から構成されている”締付け具”をクランプユニットとして分類してあります。クランンプユニットは、力の発生源(手動または油空圧)に対し、伝達機構を利用した媒体を介してワークにクランプ力を与えます。ここでの伝達機構はネジやカム等の機構であり、媒体とは、クランプバーとなります。このクランプ力が発生する方向により、垂直タイプと水平タイプに分類してあります。

クランプユニットとは?
クランプユニットとは?

選定について

クランプユニットは、対象ワークの特長(形状・大きさ・精度・加工数量など)と、取付けベース・工作機械の能力およびその他の治具エレメントなどを考慮して選定する必要があります。

(1)クランプユニットの形状や大きさは、他のエレメントとの干渉や取付スペースに影響されます。

選定について
選定について

(2)ストロークは、クランプユニットがワークをクランプ(または、アンクランプ)する際に発生する動作範囲のことで、ストローク範囲内でクランプ位置を決定することが必要です。また、ストローク範囲は、ワークの着脱性にも影響します。

選定について
選定について

(3)ワークの形状・大きさに対し汎用性が必要な場合は、拡張性の高いクランプユニットを選定すると便利です。

選定について

選定について

選定について

選定について

(4)操作性によっては、段取り時間の単短縮につながり、作業能率の向上が期待できます。

選定について
選定について

主な機構

(1)カム

カムの回転中心とワーク端面までの距離は一定であるのに対してカムのカーブして表面と回転中心との距離はカムを回転させることにより変化します。
この差(偏心量)がワークに対してクランプ力を与える機構となります。ストロークとしては、少ない場合が多くクランプ面に対する位置設定には、注意を払う必要があります。

カム

■カム機構を使ったクランプの例

(2)トグル

リンク(継手)機構とも呼ばれており、”行き端"寸前のわずかなストロークを利用するクランプ機構です。全ストローク(行き端~戻り端)としては大きなスキマが得られることと、ワンタッチ操作があるため高い作業性が得られます。
トルクの場合はストロークに対して狭い範囲でクランプ位置が限定されているため、クランプ端の調整が必要です。また、構造上大きな締付力を得ることが困難です。

トグル

■トグル機構を使ったクランプの例

(3)クサビ

傾斜面とワーク面の間に可動体をくい込ませていくことにより発生する力を利用した機構です。垂直、水平方向に発生する力により、ワークの浮き上がり防止に効果的です。

クサビ

■クサビ機構を使ったクランプの例

(4)油圧

■油圧クランプの特長

・ワーク脱着の短縮・・・特に同一治具への複数ワーク脱着に効果的です。
・工作物の加工精度の向上
・締付力を一定にすることができ、薄物や高精度加工品に歪みを与えない管理された締付ができます。
・最適ポイントの締付・・・手締めではできない場所のエレメントも、バルブ操作で締付可能となります。
・無人運転への対応・・・MC、ロボット等と連動させれば、自動運転が可能です。

■使用方法

油圧源

・各エレメントは、最高作動圧力が設定してあります。40MPa以内でご使用ください。
・油圧源のタンク容量は、エレメント内のシリンダー油量、配管内の油量により設定できます。

油圧源

締付力

・各エレメントの締付力(W)は、油圧源の圧力(P)とピストンの受圧面積(A)にて決まります。
最適な締付力を設定し、ご使用ください。

締付力
W(N)=A(mm2)xP(N/mm2)



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