MTBマグネットチャックは強力な磁力で下からの吸着でワークを秒速クランプします。また、治具の干渉が少なく、ワンチャッキングで5面加工ができたり、機械テーブルにあわせて複数台を自由にレイアウトして使用できるのが特長です。ここではMTBマグネットチャックを選定するポイントをご紹介します。
ミーリング加工では、切削推力が一方向でないため、強力な吸着力が必要になります。磁極は強力なネオジム磁石を使用し、6150Nの強力な吸着力を発生させています。磁気は、ワーク内を通りN磁極からS磁極へ向かって流れるため、ワークに切粉が付きにくくなっています。また、円形磁極は、マグネットチャック内の磁気の流れをバランス良く制御できるため、着磁時や消磁時の不要な磁気漏れが発生しません。
ワーク厚さが、磁極長さの約半分以上である場合、ワーク上面に切粉は殆ど付きません。(SS400の場合)
例.MTB-***HD70の場合、30㎜
工具操作が必要な手締治具に比べマグネットチャックは簡単なボタン操作のみです。
ワークを下から吸着するため、刃具干渉の心配がありません。
追加工によって、簡単に専用治具化も可能となります。追加工とナベヤ標準エレメント類を活用する事で、利用シーンは格段に拡がります。当社で追加工(オプション)も可能ですが、お客様でも追加工は可能です。
①マグネットチャック:1台
②コントローラー:1台
①マグネットチャック:2台
②コントローラー(複数枚仕様):1台
③リモコン:1台
④ジャンクションボックス(オプション):1台
①マグネットチャック:4台
②コントローラー(複数枚仕様):1台
③リモコン:1台
④ジャンクションボックス(オプション):2台
アラーム用 4bit LEDランプ | アラーム内容 | 対策 | |||
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | ||
点灯 | 着磁中の電流未検出 (出力ケーブル未接続) |
出力ケーブルの接続を確かめてください。 コネクタピンに異常がないか確認してください。 |
|||
点灯 | 消磁中の電流未検出 (出力ケーブル未接続) |
出力ケーブルの接続を確かめてください。 コネクタピンに異常がないか確認してください。 |
|||
・ ・ ・ |
・ ・ ・ |
ワークの凹凸に合わせてマグワークサポートが上下します。マグネットチャックを着磁することによりその位置を保持しワークを吸着します。
特に歪んだワーク、ビビリ易いワークのサポートとして活躍します。マグハイトブロックと一緒にお使いください。
マグネットチャックの吸着力は、様々な条件により変化します。
ご使用になる前には、下記の条件を考慮・検討していただき、本製品が使用できるかどうかをご判断ください。
ワーク中を通過する磁束量が吸着力を決定する条件となります。確実な固定のためには、ワークの中にできるだけ多くの磁束を取り入れることが必要です。 単位面積当たりの吸着力は、磁束密度の増加量に対して2乗で増加します。
一般的なクランプの場合、永電磁チャックのN極とS極に正しく置くことで磁束を できるだけ多く取り入れることができます。(図1)
隣合う磁極は異なる磁性ですので、N極とS極が出来るだけ同数接するようにワークをバランス良く設置してください。
吸着力は、ワークの磁極接触面積の増加量に対して比例で増加します。接触面積が倍になれば、ワーク中を通過する磁束量も倍になり吸着力も倍になります。(図2)
また、接触面の凹凸が少ないほど吸着力は強くなります。(図3)
嵩上げブロック(マグハイトブロック等)が高くなるほど、ワークに流れる磁束が減少します。右記のグラフより吸着効率を考慮してください。(図4)
加工ワーク、もしくは嵩上げブロックの材質によって吸着効率を考慮してください。(図5)
加工ワーク、もしくは嵩上げブロックの表面の状態(密着度=エアギャップ)によって吸着力が変わります。表面の加工状態によって単位面積当たりの吸着力を求めてください。(図6)
ワーク中の磁束は、マグネットチャックの一方の極の中心からもう一方の極の中心へ半円を描くように流れます。ワークの厚さがこの半円よりも薄い場合、磁束はワークからはみ出てしまいクランプ力を十分発揮できません。磁束をすべて流すことの出来る適切な厚さのワーク(19㎜以上)でご使用ください。
また、吸着力を最大限に発揮させるために、4極以上に載るサイズのワーク(ワークの推奨サイズ以上)に使用してください。(図7)
ワークの推奨サイズ(㎜)
縦 × 横 × 厚み | 166×166×19以上 |
---|
切削推力の方向が、吸着面に対して水平方向の場合、切削推力に対して吸着力は 3~10倍必要になります。(摩擦係数0.1~0.3) 必要な保持力が吸着面に対して平行の場合は、その対策として、切削推力方向に対してワークストップ(ストッパー)を設置することで、吸着力を大幅に低減させることができます。(図8)
熱処理を施したワークは磁気が残り易いために(残留磁気)マグネットチャックから取り外しにくい場合があります。
残留磁気は、脱磁器を用いて取り除いてください。
機械テーブルの形状によっては、追加工が得意なMTBマグネットチャックでも、標準搭載できないことがあります。 当社では、そんなお客様の為に、カスタムメイドに対応(オプション)しております。