治具ってすごい!アカデミー

第1回 治具の基本の「き」

「治具ってすごい!アカデミー」第1回では治具とは一体どのような役割をもっているのかという疑問から紐解いていきます。
まずは治具の基本の「き」を学んでいきましょう。

加工とは

「加工」することはモノづくりに不可欠な要素です。加工とは「原料や素材に手を加えて新しい物をつくること」や「細工を施すこと」と定義されていて、加工前と加工後で本質的な変化がありません。

例えば、機織り機を使って糸から布をつくるように本質的な変化を起こす場合には「製造」という言葉が使われますが、工作機械などによって金属などを有用な形・精度に切削する場合は「加工」を行うと表現します。

必要な条件・要素は?

金属の製品などを生産する場合、原材料に切削加工、熱処理、研削・研磨、表面処理などの加工を行い、「鋼材・鋳造品・溶接品」などといった製品を製造します。その各工程ごとにさまざまな条件要素が関わってきます。

加工をするために必要な条件、要素とはなんでしょうか。
条件とは何を、どれだけ、いつまでに、いくらで生産するのか、といった「生産計画」や、材質、形状、精度などの「製品仕様」のことです。
要素とは、使われる工作機械、刃物、治具など、実際に加工を行う機械や道具のことです。
生産計画を達成するためには、まず条件をしっかりと決めて、その条件に合う要素を準備する必要があります。

治具とは

治具の役割

「治具」とはワーク(工作物)を取付け、位置を定めると同時に加工の案内をする補助工具のことです。
基本的に治具はワークが常に一定の位置で決まり、固定・取外しが容易にできないといけません。
また、「取付具(fixture)」というワークを取付ける役割があり、加工案内部(jig)を持たない工具も総称として治具と呼ばれています。

治具に求められる役割を図で表すと、下図のようになります。

治具の種類

治具には製品の構成部品を加工するための工作機械加工用や、組立用、溶接用、検査用など、様々な種類があります。
加工用治具の場合、加工内容に合わせて適切な治具を選ぶことで、生産効率や製品の精度をアップさせることにつながります。
適切な治具を選ぶためには、自社の加工文化の把握が必要です。

例えば、機械の依存度の高いA社と、治具の依存度が高いB社では加工品質は同じでも、文化が異なるためその会社に合わせた治具を選ぶ必要があります。

このページの先頭へ